電車の中での会話

エッセイ・コラム

べんぞう

 電車の中で知人と会うと、だいたい様々な話をすることになります。車内が混雑している時に周辺の人たちにとっては、迷惑だと思いますが、まあお互いの健康状態など、その場での気軽な話ばかりです。

 今日も朝の電車で久しぶりの人とバッタリ。久しぶりなので、話すことも思い浮かばなので、挨拶をした後は沈黙の時間となります。これもよくあることですね。

 さて、少し時間が過ぎると、急に近況報告をすることになります。同年代(70歳台)の人なので、健康の話は定番です。

 毎朝のウォーキングで歩くことができる距離や時間が一気に短くなり、その疲労が一日では回復できない…。視力が急に落ちてきた…歯が…。基礎体力の低下は直線的ではなく、階段の段差ガタガタと一気に悪化する。そして、元に戻ることはない…。

 もっぱら聞き役の私は、その都度相槌などを打ちながら聴いているわけです。

 こうした時にでは、ちょっとビックリする話がでてきました。

 このご近所の方は代々銭湯をされていました。しかし、5年前に廃業をされました。我が家からは至近の距離にあったので、とても残念なことでした。

 さて、廃業される5年前には京都市内に120軒の銭湯があったのに、なんと5年で60軒になってしまったということでした。これには、もう大変ビックリしました。

 そして、燃料費の高騰が続くと、もっと廃業する銭湯が増えそうだ、ということでした。

 重油以外にも、木材を切った際に出てくる挽粉(ひきこ)などがお風呂の燃料として使われていたのですが、建材が変化していくために、大量の木材が廃棄されることもなくなってきたようです。燃料の廃材確保のために、大工さんと連携をしているお風呂屋さんも少なくないということです。しかし、こうした状況では、銭湯の存続もなかなか難しい時代になってきたのだと実感することになります。

 ヴィム・ヴェンダース監督の2023年の映画「PERFECT DAYS」でも銭湯に行く日常が魅力的に描かれていました。エキストラで、あの入浴シーンに参加したいと映画の画面を見ながら思いました。

 趣味で銭湯に通う人たち以外に、木賃アパートなどお風呂がない住宅に住んでいる人たちも少なくないので、こうしたところに住む人たちの入浴はこれから、どうされるのかが気がかりです。特に、この近年のような酷暑が続くと、汗まみれの身体になるのは間違いありません。ゆっくりと広い湯船に浸かって、元気を取り戻す日が、長く続くことを祈念したいと思います。

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